この記事を読むのに必要な時間は約 10 分です。
「シャドーイングがリスニング対策に有効って聞いたけど、上手くいかなくて続かない…」
そんな悩みでお困りではありませんか?
シャドーイングは、リスニング対策を始め英語学習のさまざまな課題を解決するために非常に有効な手段として知られています。
しかしそれと同時に、慣れないうちは難易度が高く挫折してしまう人も少なくありません。
そこで今回は、「シャドーイングで効率的に英語学習をしたいけれど、挫折してしまった経験がある」という方々に向けて、今度こそ上手くいくための方法をお伝えしていきます。
シャドーイングとは?どんな学習法だっけ?
「シャドーイングを挫折してから久しくて…どんな勉強法だったっけ?」
そんな方もいらっしゃると思うので、シャドーイングがどんな学習法だったかをおさらいしておきましょう。
どんな学習法だったっけ?
シャドーイングとは、「リスニング音声などモデルとなる英語の音声を再生し、聞き取った音声を瞬時に真似をして発音していく」という学習方法になります。
と、文字だけで伝えようとすると大変ですが、シャドーイングについてとてもわかりやすく説明された動画がありますので、そちらもぜひご参照ください。↓
シャドーイングが効果的な理由
シャドーイングが効果的な理由は大きく2つあると言えます。
- 発音力が上がることで、認知出来る音声の精度が飛躍的に上がる
- 脳にかかる負荷が大きく、リスニング力向上の強制力が高い
①発音力が上がることで、認知できる音声の精度が飛躍的に上がる
シャドーイングを行うことで、発音力を飛躍的に上昇させることが出来ます。
実際の音声を真似ていくトレーニングなので、ここは疑う余地はありませんね。
しかし、「発音力がスピーキング力に繋がるのはわかるけど、なんで発音力がリスニング力を上げるの?」と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
確かに、「自分が上手く発音出来る力」と「相手の話す英語を聞き取る力」は、一見関係ないようにも思えますよね。
しかし、実はこの2つの力は密接に関係しています。
英語の発音には、普段日本語を使って生活する日本人には馴染みづらい要素がいくつか存在します。
LとRの区別、THとSの区別、音声変化(リエゾンなど)がそうですね。
私たち日本人にとって馴染みづらいこれらの要素を、自分が発音出来ることになることで「ただ知っているだけ」の状態よりも、より正確に認知することが出来るようになります。
②脳にかかる負荷が高く、リスニング力向上の強制力が高い
シャドーイングは非常に負荷が高いトレーニングです。
リスニング音声は自分で停止をしない限り待ってはくれないので、もたつくと音源に置いて行かれてしまうからです。
流れるリスニング音声が、何を言っているのかを瞬時に理解して、瞬時に自分の口で発音する必要があります。
このように、シャドーイングは非常に集中力の必要な負荷の高いトレーニングだと言うことが出来ます。
そして負荷が高いトレーニングだからこそ、高い集中力で密度の高い効果的なトレーニングであると言えます。
負荷が高いからこそ、常に高い集中力で挑むことが出来るからこそ、1回1回の練習が濃密になるというわけですね。
シャドーイングでつまづく人の特徴!こんなところでつまづいていませんか?
シャドーイングは、1回1回の練習が濃密な分、負荷が高いトレーニング方法なのでつまづいてしまう方も多いです。
実は僕も何度もシャドーイングを取り入れようとして挫折した経験があります。
上手く続かない状態が続くと
という考えに陥ってしまいますよね。
しかしシャドーイングは、正しく行えば無理なく継続できるトレーニング方法です。
まずは、シャドーイングでつまづく人が陥りやすい要素について触れていきます。
実践している音声が自分のレベルに合っていない
シャドーイングの題材にしている音声が、早すぎたり難しすぎたりしていませんか?
海外ドラマやネイティブスピーカーが日常的に話すスピードの音声では難しいかもしれません。
知っている単語が少ない
知らない単語は聞き取ることが出来ません。
その結果、知らない単語が出てくるたびに音声を止める必要が出てきます。
文中に知らない単語が1割~2割程度であれば都度確認して取り組むことも出来ますが、4割以上知らない単語だった場合、非常に挫折するリスクが高くなります。
あまり頻繁に音声と練習が止まってしまうと、一つの音声をやりきるまでに時間と労力かかりすぎて挫折に繋がってしまうということですね。
何十回も失敗してようやく形になることを知らない
シャドーイングとは、そもそも高い負荷と強制力をもって非常に効果的に英語力を向上させる手段です。
負荷が高い分、シャドーイングに慣れている人でも1つの音声につき5回や6回で形になることはありえません。
例として、プロサッカー選手として活躍されている本田圭佑さんがシャドーイングに取り組んでいる動画があります。↓
世界を股にかけて活躍される本田圭佑さんでも、詰まりながら取り組んでいることがわかりますよね。
とはいえ、10回や15回を超えたあたりから少しずつ様になってきますし、その後継続しているうちにいつの間にかかなり正確にシャドーイング出来るようになっているので
「シャドーイングは数十回反復するもの」という認識を持つという事が重要になってきます。
シャドーイング自体が1つの音声に対して早いサイクルで取り組むことが出来るトレーニング方法なので、何十回という字面に臆する必要はないのでご安心ください。
つまづいているポイントを打開するための処方箋
ここまでシャドーイングでつまずきがちなポイントを明確にしてきました。
ここからは、そのつまずきポイントをどのように打開していくことが出来るかをお伝えしていきます。
自分に合ったレベルのリスニング音声に取り組む
シャドーイングに取り組む際は、詳細なスクリプトが用意されていて、かつご自分のレベルに合っている音声を選ぶのが鉄則です。
レベルごとにおすすめの題材がいくつかありますのでぜひ参考にしてみてください。
初心者向け:Voice of America
英語学習初心者にもおすすめ出来るのがこのVoice of Americaです。
詳細なスクリプトが用意されていますし、音声も「ゆっくりかつ、一息で言い切る英文のまとまりが非常に自然」という感じで、「易しすぎて力が付かない」という事もありません。
スクリプトも記事調になっていて、シャドーイングを実践しながらニュース性ストーリー性を楽しむことも出来ます。
英語学習初心者も安心して取り組むことが出来るサイトです。
中級者向け:英検・TOEICなどの英語資格過去問CD
中級者にはTOEICや英検に代表される英語資格の過去問音声を使い、シャドーイングを行うのも非常に有効です。
TOEICであれば「究極の模試シリーズ」や「至高の模試シリーズ」
英検であれば旺文社の「全問題集」がおすすめですね。
リスニングスクリプトが詳細に記載があるため、シャドーイングを行う環境が非常に整っています。
また、英検は自分のレベルに合わせて級を選択することが出来ますし、TOEICであれば、始めはPart2などの短めの文章から初めて、慣れてきたらPart3、Part4に移行することも出来ます。
そして何より、直近で受験を控えているなら、あらかじめ傾向を把握することにも役に立つので非常に効果的な学習法になり得ます。
TOEICや英検を受験予定の方には、ぜひシャドーイングで効果的に学習をして欲しいところです。
上級者向け:TED
TEDは、医療、科学、社会、宗教などの専門家たちが英語でプレゼンテーションを行うというチャンネルです。↓
https://www.ted.com/talks?language=ja
動画の設定からスクリプトをON OFFすることが出来ますし、なにより動画の内容が各専門家がプレゼンテーションしているので非常に勉強になります。
英語を学ぶだけでなく、英語で他の分野の事を学ぶ練習にもなるので、非常に有効な手段と言って間違いないです。
以上の理由から、英語上級者の間からとても根強い人気を誇る題材です。
オーバーラッピングから初めてみる
シャドーイングを始める前に、オーバーラッピングに取り組んでおくのも非常に効果的です。
オーバーラッピングはシャドーイングと似た勉強法で、リスニングスクリプトを見ながら音声にかぶせるように発音していく勉強法です。
シャドーイングとは?の項で紹介した動画で、オーバーラッピングについても紹介されているのでぜひ参考にしてみてください。↓
先にオーバーラッピングをしておくことで、シャドーイングの前に口を慣らしておくことも出来ますし、リスニングスクリプトを先に見ておくことで知らない単語をあらかじめ調べておくことが可能です。
「先にスクリプトを見てしまうと効果が下がってしまうのでは?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、心配はいりません。
シャドーイングに取り組んでいる間は、目の前の音声に集中して取り組むことになるので、スクリプトを知っているからといって効果が下がってしまうことはありません。
失敗を恐れず何回もリピートする
シャドーイングは、最初はつまづいてばかりで大変に感じますが、10回20回と繰り返すことでサマになってきます。
シャドーイングは「詰まる→即再挑戦」といった感じで素早くサイクルを回すことが出来るので、失敗を恐れずに何回も取り組んでいきましょう。
始めは大変に思うかもしれませんが、1回でも1つの音声を極めればかなり自信がつくので、まずは1つの音声を徹底的に取り組んでみることをおすすめします。
まとめ
今回は「シャドーイングが続かない!」という状況を抱えた方に向けての対処法をお伝えしてきました。
確かにシャドーイングは効果が高い分、負荷が高いので挫折のリスクは高いです。
かくいう僕も、何度もシャドーイングで挫折していたことがあります。
しかしシャドーイングで失敗しがちなポイントを押さえて正しく取り組むことが出来れば、その高い効果を存分に発揮できる学習が出来るようになります。
特に、オーバーラッピングを挟みながら、1つの音声を完璧にこなせるようになるまで何度も取り組んだことで挫折感を払拭し、今ではTOEICや英検などを受ける前は毎回シャドーイングをこなしてスコアを底上げしています。
ぜひここでお伝えしたことを活用して、今度こそシャドーイングをマスターして英語学習をより濃密にしてくださいね!