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シャドーイングがリスニング力を格段に上げる理由はなぜ?

この記事を読むのに必要な時間は約 14 分です。

あなたは英語の「リスニング対策」と聞いて、どんな勉強方法を思い浮かべますか?

この記事で紹介していくシャドーイングだけでなく、聞き取った音声を紙などに書きとっていくディクテーションや、一通り音声を流した後に真似して発音していくリピーティングなど、さまざまな勉強方法がありますよね。

その中でもシャドーイングは、英語のリスニング力を養うためにとても有効で人気の高いトレーニング方法です。

なぜそれほどまでに人気なのか、気になりませんか?

この記事ではそんなシャドーイングが、なぜそれほど人気が高いのかについてお伝えしていきます。

シャドーイングとは?どんな勉強法?

シャドーイングとは、リスニング音声に沿って発音していく学習法です。

「影」のように音声に続いていくから「シャドーイング」というわけですね。

文字だけで説明しようとすると、似た性質を持つリピーティングやオーバーラッピングなどの勉強方法と混乱してしまいがちなので、これらの方法についてそれぞれわかりやすく解説した動画を載せておきます。

ぜひ参考にしてみてください。↓

シャドーイングはリスニング対策の中でも、特に中級者から上級者に根強い人気を誇る勉強法です。

上級者になってからも勉強法として取り入れられるということは、それだけ効果が高いという事がうかがえますね。

それでは、なぜ上級者でも取り入れるほどに効果が期待出来るのか、気になりませんか?

そこには確固たる理由が存在します。

その確固たる理由とは、「シンプルにリスニング対策として、非常に効果が高い」というものです。

その根拠についてお伝えしていきますね。

なぜシャドーイングがリスニング力を格段に上げるの?

英語上級者もシャドーイングを愛用する理由には、その高い英語力向上効果が挙げられます。

ここではその高い効果の根拠についてお伝えしていきます。

発音が上達すれば聞き取りも上達する

シャドーイングではモデルとなるリスニング音声を真似て発音していくため、発音力を大幅に向上させることが期待出来ます。

そして発音力が向上することで、リスニング力の大きな向上が期待出来ます。

なぜ発音力の向上がリスニング力の向上に繋がるのかと言えば、それは発音力の向上がそのまま「発音の認知力の向上」に繋がるからだと言えます。

ここで少し例を挙げてみましょう。

野球をやったことがない人がプロ野球を観ても、プロの選手の技術の高さは伝わりにくいでしょう。

しかし、野球を経験した事がある人がプロ野球を観たならば、話は違ってくることは容易に想像がつくかと思います。

発音についても同じです。

自らが発音について一定の経験があれば、LとRの差、THとSの差、音の変化や連結など、細かな違いを即座に判断する力が自然と付いてきます。

よって、シャドーイングにより発音力が向上ことによって、発音の認知力を上げることが出来、その結果リスニング力を格段に向上させることが出来るということが出来ます。

高い強制力をもっている

シャドーイングはその性質上、リスニング力を始めとする英語力の向上を非常に高い強制力をもって取り組むことが出来るトレーニング方法だと言えます。

なぜなら、リスニング音声と並行して発音していくため、常に100%の負荷で取り組む必要があるからです。

シャドーイングの実践中は「英語の音声を聞き取る→英語の文章として理解する→発音していく」というプロセスを瞬時に行う必要があります。

その最中で、聞き取れなかったり、英文として理解するのが遅れたり、発音時に噛んでしまったりを繰り返すと、あっという間に再生中の音声に置いて行かれてしまいます。

そのため、音声に遅れずついていくために、聞き取り→理解→発音のプロセスを、同時にかつ瞬時に行うことで、非常に高い強制力を持ったトレーニングになります。

その結果、非常に充実したトレーニングになるということですね。

試験対策としても相性は抜群

シャドーイングは本質的な英語力を向上させるだけでなく、TOEICや英検などの試験対策にも抜群の効果の高さを発揮します。

なぜならシャドーイングによって何度もリスニング音声を反復することで、その試験のリスニングの傾向を把握することにも非常に役立つからです。

前提としてシャドーイングには、以下のような性質があります。

  • 聞き取りと発音の練習であると同時に、英語を英語のまま文頭から理解していく練習でもある
  • 音声に置いていかれずついていくために、反復の練習が前提

前項でお伝えした通り、シャドーイングでは「聞き取り→理解→発音」のプロセスをスピーディに行う必要があります。

このプロセスの中の「理解」の部分で、必ず流れている音声の「英文を理解する」という行程が挟まります。

TOEICや英検などの過去問音声を用いて実際に試験に出た英文を反復するわけですから、試験で頻繫に出題される会話のパターンや英文構造に高いレベルで慣れることが出来るということです。

本質的な英語力と同時に、試験対策として抜群の成果を挙げることが出来るでしょう。

シャドーイングがもたらした苦労と具体的な効果

ここまでシャドーイングで得られる効果について理論的にお伝えしてきましたが、ここで少しシャドーイングを実践してきた筆者が苦労した点や具体的な効果について軽くお伝えしていきます。

シャドーイングで苦労した点

シャドーイングは効果が高い勉強方法として知られていますが、筆者は慣れるまで時間がかかりました。

苦労した点はたくさんありますが、具体的には以下の2点に集約されます。

  1. 上手くいくまでがツラい
  2. 声を出せる環境の確保

1.上手くいくまでがツラい

まず、上手くいくまでの期間がしんどかったです。

出だしから詰まりますし、その状態が10回20回と平気で続きます。

 
当時の筆者
「まだシャドーイングは自分には早いのでは…?」

そんな気持ちが頭をよぎります。

これが結構精神的にツラいものがあって何度か挫折していました。

この苦労ポイントについては、まず短い文章を完璧にするまで取り組むことで解決することが出来ました。

TOEICのリスニング音声を用いるのであれば、最初からPart3やPart4に取り組むのではなく、まずはPart2の音声に取り組んでみる…といった感じですね。

短い文章であれば、出来るようになるまでの期間が短くて済むので、シャドーイングが身につくまでの大まかなプロセスを体感出来ます。

上手くいくまでの大まかなプロセスを体感出来れば挫折率は大幅に下がります。

上手くいかない期間でも、どのようにそこから上達していくかを知っているので、上手くいかない事に対しての精神的ダメージが大幅に下がるからです。

そうなってしまえば、Part3やPart4に移行してしまっても良いでしょう。

長めのスクリプトとは言っても、短い文章の数が多くなっただけですので。

2.声を出せる環境の確保

シャドーイングは、リスニング音声の再生と自分の声を出して行うので、電車の中や公共の場で行うのは難しいという側面があります。

移動中や外出先などのスキマ時間を中心に英語学習に取り組む人には、声を出せる環境を捻出する必要があるのは死活問題ですよね(笑)

私も、勉強はスキマ時間や図書館などの静かなスペースで行わないと集中できないタイプだったのでこの問題にはかなり頭を悩ませました。

地味ですがシャドーイングを挫折してしまう影のトップはここにあると思っています(笑)

これについては、以下の2点で解決しました。

  1. 帰宅後15分~30分で良いのでシャドーイング用の時間を取る
  2. イヤホン+口パクで徹底して口の動き方を意識する

一日15分~30分で良いので帰宅後にシャドーイング用の時間を設けると良いです。

同居されている家族に「今は英語を頑張っている」という旨を伝えて了解を取って、15分~30分という時間の制約をつければ不可能ではないはずです。

そして、自宅で行っているシャドーイングの感覚を忘れずに、電車内や公共の場などではイヤホンやヘッドホンなどでリスニング音声を再生し、発音は小声か口パクで行ってみてください。

シャドーイングの経験がない状態で口パクや小声で行うときよりも、決まった時間にこなしているシャドーイングをイメージして実践した方が、シャドーイングの効果をそのまま再現することが可能です。

また、少しの時間でもシャドーイング用の時間を取ることで、口パクや小声で見落としていた自分の発音の弱点を把握することが出来ます。

意識さえできれば、また口パクや小声で実践するときに意識してその弱点を改善していくことも可能です。

シャドーイングで得られた具体的な効果

上述のように苦労もあったシャドーイングですが、その分実践することによって得られたことも大きかったです。

  • 発音に自信が持てた
  • 留学中に「発音が原因で英語が伝わらない」という事態に陥らなかった
  • 留学中、カナダ人のルームメイトに「英語が上手い日本人はたまにいるけど、キミほど発音がナチュラルな日本人はなかなかいないよ」と言われた。

まず、筆者である私は大学で交換留学を経験するまで、全く海外経験はありませんでした。

しかし、自分の英語の発音に対しては自信がありました。

理由は2つあります。

1つは、L、R、THの、日本人が最も苦手としやすい発音だけは、しっかりと相手に伝わるように意識してトレーニングしていました。

たった3つの事なので、これに関してはこのたった3つを意識してゆっくり、確実に発音すれば良いだけです。

2つ目の理由が、シャドーイングに取り組んでいたことで、英語らしいテンポやリズムを意識出来ていたことにあります。

この2つ目のポイントに関しては、意識や知識ではなく体感レベルで習得するほかに方法がなく、シャドーイングで高い強制力をもって英語のリズムやテンポを刻んでいったことで、「自分の英語はナチュラルに近い」という自信を持つことが出来ていました。

その結果、交換留学生に決まり出国する際にはTOEICのスコアは500程度と決して高いスコアを保持しているわけではありませんでしたが、カナダ人ネイティブスピーカーのルームメイトとのコミュニケーションで、発音が原因で自分の英語が伝わらなかった事はありませんでした。

さらに嬉しいことには、そのネイティブのルームメイトから「英語が上手い日本人はたまにいるけど、キミほど発音がナチュラルな日本人はなかなかいないよ」という、今でも自分の自信の根幹になる言葉をもらえました。

シャドーイングを実践する上で苦労する点もありましたが、正しく行えばしっかりと効果を発揮して英語力を飛躍的に向上させる事がうかがえますよね。

シャドーイングを実践する具体的なおすすめ教材

ここまでの記述でシャドーイングの概要や効果についてお伝えしてきました。

ここからは、「具体的にどんな教材を使ってシャドーイングを実践すると良いか」についてお伝えしていきます。

それぞれの教材のメリットや特色について出来るだけ詳しくお伝えしていきますね。

試験の過去問のリスニング音声

前項「なぜシャドーイングはリスニング力を格段に上げるの?」で触れましたが、シャドーイングは英語試験の対策との相性が非常に良いです。

TOEICや英検、TOEFLなど、直近で目標としている試験の過去問音声を用いて実践すれば非常に高い効果が期待できます。

実際に出題されたリスニング音声でシャドーイングに取り組むことによって、その試験の傾向や頻出の表現、文構造に無意識に慣れていくことが出来ます。

本質的な英語力と試験への対策が同時に出来る優れた勉強法です。

速読英単語

速読英単語は特に受験生に人気の高い単語帳で、単語帳としては珍しくシャドーイングを推奨しているテキストです。

筆者はこの速読英単語を、TOEICや英検で目標のスコアを達成したタイミングで使用することが多いです。

TOEICや英検などで目標を達成した後って、継続して勉強を続けていないと英語力は底なしに下がっていってしまうんですよね。

それを防止するために、1日1題だけでも継続して取り組むんでいると、英語力の衰弱がかなり緩やかになります。

受験英語の頻出単語が載った単語帳ですが、シャドーイングを推奨しているだけあり文章は長すぎず短すぎず、要所にキーとなる単語を配置しているので非常に効果は高いです。

受験英語と言っても、継続して学習してセンター試験で8割程度の点数が安定して取れるような英語力が身につけば、かなり英語に自信が持てるようになるので、非常におすすめの教材です。

TEDやVoice of America

英語で社会や医療、科学などの第一人者たちが自らの専門分野についてわかりやすく解説するTEDや、英語学習者向けに音声付きでニュースを紹介しているVoice of Americaは、シャドーイングの教材として多くの英語学習者に愛用されています。

試験の過去問や教材と違って、自分の好きな題材を選んで取り組むことが出来るのが利点ですね。

特に自分の専門分野を持っている方は、そのジャンルから題材を選んで取り組むことで、英語と同時に自分の専門分野についての最新知識を得ることが出来ます。

なにより、自分が取り組んでいる英文の中に、自分の興味のある話があると意欲がわきますよね(笑)

そういった意味で「楽しく英語学習」を取り組みたいと思う方にはうってつけの勉強法です。

好きな洋画や海外ドラマ

筆者としては洋画や海外ドラマを英語学習の題材にするのはハードルが高くておすすめしないのですが

「何度観ても飽きない!」と胸を張って言える大好きな作品であれば、転じて非常に効果的な英語学習の題材になると言えます。

何度観ても飽きないような大好きな作品であれば、題材となるセリフがどんなニュアンスで、どんな言い回しで、どんなセリフが言われているのかを鮮明にイメージすることが出来ます。

こうした感情や抑揚まで意識して真似することが出来るのは、シャドーイングを実践するうえでグンと効果を高める要因になります。

どんな感情を乗せるときに、どんな言い方になるのか、どこまでを一気に話して、どこで話を切るのかなど、自然で生きた英語を身に着けることが出来ます。

僕はStar Wars Episode3が好きだったので、それを題材に何度も取り組んでいました(笑)

少し前は英語学習者界隈で「Suits」が流行りましたよね(笑)

最近では高額なDVDを購入しなくても、こうした映像コンテンツをオンデマンド配信でお手軽に観ることが出来るので、大好きな作品がある方にはおすすめの題材だと言うことが出来ますね。

日常の英語アナウンス

あなたが普段何気なく過ごしている日常の中にも、アンテナを張ってみれば良質な英語の音声が意外とたくさんあることに気が付くと思います。

バス、電車、地下鉄のなどで、外国人向けに英語でアナウンスされているのを聞く機会も多いかと思います。

特に通勤や通学で英語のアナウンスを聞く機会があれば、意図せず反復して学べる機会があるという事です。

そんなアナウンスに気がついたら、ぜひ小声でシャドーイングをしてみましょう。

これを習慣化して続けるだけで、気が付いたらとてもナチュラルで綺麗な発音が身について、発音に大きな自信を持てるようになるはずです。

気がついたら日常の中で英語のアナウンスを見つけて、ひっそりシャドーイングをすることが楽しくなってきますよ。

まとめ

今回は、シャドーイングについて、「なぜリスニング力を格段に上げることが出来るのか?」という視点からお伝えしてきました。

シャドーイングは、高い強制力をもってリスニング力を始めとした英語力を向上させることができ、本質的な英語力はもちろん、TOEICや英検などの試験対策にも絶大な効果を発揮します。

筆者自身もシャドーイングで苦労もしましたが、しっかりと実践していけばしっかりと大きな成果を出すことが出来ます。

ぜひこの記事でお伝えしたことを活用して、ぜひ英語習得にお役立てください!

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